Q5 派遣社員の休業A 事情によっては、必ずしも、派遣料金の全額を支払うことが当然というわけではありませんので、派遣料金の減免について派遣元と交渉してみるべきです。この問題は、一次的には、派遣元との間で締結している労働者派遣契約書に定めがあれば、それに従って解決されるべきことですが、そのような定めが無い場合には、民法の危険負担の規定(第536条)により、派遣社員が就業できないことが派遣先の「責めに帰すべき事由」によるのか否かによって判断されます。緊急事態宣言下で外出自粛要請が出されている状況で、生活必需品ではない商品・サービスを扱う店舗を自主的に休業していることなどが派遣先の「責めに帰すべき事由」と評価すべきなのか、そもそも派遣元・派遣先という独立した事業者間でのリスク分配の問題に、労働者派遣法という労働法令による変容をどのように及ぼすべきかなど、立場によって見解が異なり得るところですが、派遣先としては、この未曽有の危機において派遣社員の雇用と生活をできる限り保護し、営業再開に備えることも念頭に置きつつ、派遣元に対し、派遣社員を休業させざるを得ないことになった自社の事情について丁寧に説明し、派遣元での雇用調整助成金の申請など、できる限りの自助努力を求めるなどして交渉し、双方にとって公平な負担割合の着地点を探るべきと思われます。...